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照明デザイナーの視点から光の景観とその表情、見所をレポート。ライトアップやイルミネーションを中心に、その光を当てる対象となる庭園や建築、ランドスケープ空間も巡ります。


by homura_lsd

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中尊寺

平泉を訪れた折、もちろん立ち寄った中尊寺。

平泉と言えば、毛越寺と中尊寺金色堂以外はなかなかぱっとは出てこないほど、この二つは際立って各メディアや雑誌でも紹介されている。



そんな期待感たっぷりで訪れた中尊寺金色堂。



中尊寺_f0322812_23262419.jpg


中尊寺金色堂(※写真は覆堂で、この中に金色堂が納められている)



しかし期待は裏切られ、正直、かなり落胆させられた。。。



ここ金色堂は創建当初は屋外に建てられていたそうだが、金箔や漆、螺鈿といった荘厳な装飾を保護するため、金色堂全体をすっぽりと覆うような形で覆堂[おおいどう]が造られ、風雨から守られてきた。(それでも当時は完全な密室でもなかったはずなので、様々なものが入ってきたとは想像されるが)

現在は1965年に新たに鉄筋コンクリート造の覆堂が造られ、金色堂はその新たな覆堂に納められている。



問題なのはこの新たな覆堂。



驚くことに、よく写真等で目にする金色堂は、この新たな覆堂の中の、更にガラスケースの中に納められている。

(正確には、天井から床まで巨大なガラスで空間が仕切られている)

よく目にする写真は、そのガラスの内側の世界なのである。



まるで美術品として博物館に収められているような感じ。(もちろん24時間体制で温度・湿度が調整されている)



ガラス越しに、明かりの煌々と点いた空間で見る阿弥陀三尊像。



全く現実的でない。。

その場所に自分の身を置いている思わず手を合わせて拝みたくなるような、凛とした張り詰めた空気のようなものを感じることはできない。



世界の(世界遺産に登録されている)文化遺産、特に宗教上の教会や寺院でも、完全にガラス貼りで仕切られ、その場所の生の空気感を感じることのできない場所というのも、そうそうないと思う。



確かに漆や螺鈿による芸術品としては最高のものであるとは思うが、空間(空気感)を感じたいと思って訪れた者にとっては、残念な限りだ。



いつかは改善されることに期待したいと思う。

(ガラスがなくなれば、またいつかは訪れてみたいとも思うので)



中尊寺_f0322812_23262472.jpg


泰衡の首級桶から発見され1998年に開花した「中尊寺ハス」






by homura_lsd | 2008-07-25 23:49 | 建築