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照明デザイナーの視点から光の景観とその表情、見所をレポート。ライトアップやイルミネーションを中心に、その光を当てる対象となる庭園や建築、ランドスケープ空間も巡ります。


by homura_lsd

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称名寺

今年最初の光は称名寺の新年ライトアップ。 

※このイベントは既に終了しています(~2008.1.3まで)



京急金沢文庫駅から徒歩で10分ほどの場所にある称名寺(しょうみょうじ)。 

この称名寺は現在では数少ない浄土式庭園。浄土式庭園は仏教世界を庭の形に具現化したもので、仏教の浄土思想の影響を受け、寺院の主要建築である金堂や阿弥陀堂などの前面に大きい池を開き、蓮を植える等して極楽浄土の世界を表そうとした庭園の様式。称名寺でも金堂の前面に池が配され、この「阿字ヶ池」は凡語の第一字母<阿字>を象り、仏教で万物の不生不滅の原理を象徴的に表現しています。



あかりは投光器によるライトアップのみ。 



称名寺_f0322812_232655.jpg


2008.1撮影



ここ称名寺のライトアップに訪れたのは3年ぶり。

2005年に訪れた時とライトアップの手法や光源の設置位置はほとんど変わっていませんでした。



称名寺_f0322812_2326539.jpg


2005.5撮影



金堂は青色のカラーHIDランプが7台。 朱色の反橋は高圧ナトリウムランプが両端から2台。 

朱色の反橋の色味は通常通りの手法なのでわかるのですが、金堂の色味のコンセプトは今回も汲み取ることができませんでした。なぜ青なのか・・・?



称名寺_f0322812_2326567.jpg




ただ、波長の短い青色の光源が使用され、全体的に光量を抑えた(暗い)全体の印象となる中で、軒付や垂木の「白」が浮かび上がり、そのものが発光しているかのような表情となっていました。池の対岸からでもこの白が映え、より幽玄さが際立ちます。



ここ称名寺は年末年始以外にも、新緑の時期と夏にもライトアップされていますので、機会があればぜひ足を運んでみて下さい。


 







称名寺_f0322812_23255977.jpg
 

by homura_lsd | 2008-01-04 20:05 | ライトアップ